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山﨑賢人主演『今際の国のアリス』シーズン3制作決定!「げぇむ」をクリアしないと待っているのは“死”あるのみ

2024年4月19日

  • 今際の国のアリス"
    『今際の国のアリス』(麻生羽呂/小学館)

     誰でも一度は「今の苦しみやモヤモヤから抜け出せたら……」と思ったことがあるだろう。それはこのご時世、大人も子どもも関係ない。僕だって、高校時代は言い知れぬモヤモヤを抱えながら過ごしていた。今思えばそれはないものねだり、むしろわがままに過ぎなかったし、自分が思い描くユートピアはどこにも存在しないことも実感している。『今際の国のアリス』(麻生羽呂/小学館)は、自分の人生にモヤモヤを抱えた高校生たちが主人公のマンガだ。2011年にコミックス第1巻が発売された本作は、山﨑賢人、土屋太鳳主演でNetflixにて2020年にシーズン1、2022年にシーズン2が配信されている。シーズン3の制作も決定している。


     物語の主人公は有栖良平。彼は高校生ながら自分のことを「落ちこぼれ」と認識していた。センター試験(現在は、大学入学共通テスト)模試ではすべて1に丸をつけるほどの適当さ、授業はほとんど聞いていない。そうなってしまった理由は彼の家庭環境にあった。親が教育熱心、かつ弟が成績優秀で生徒会長という環境で育ってきた彼は、常に比較される毎日だった。もちろん家に居場所はなく、バツが悪くなったときは友人・苅部大吉が経営するバーへと逃げ込む。ある日、有栖は父親の説教から逃げるため、苅部のもとへ足を運ぶ。その日はもう1人、親友・勢川張太も訪れており、ひょんな思いつきから3人で線路を歩いて渋谷まで行こうということになった。


     朝4時、誰もいない渋谷のホームで明日が来ることにうなだれる3人。「どこでもいいから知らない国に行きたい」「街中がゾンビだらけになってしまえば、バツが悪くなることもないし心のモヤモヤを抱えずに済むはず」「大人だって同じことを考えているはずだ」。そんなことを嘆き、朝日があがることを拒む彼ら。そこでふいに打ちあがる2発の大きな花火。明らかにおかしい。時刻は朝4時。こんな時間に打ちあがっていいものではないし、何より近所迷惑だ。そしてもう1発、大きな花火が打ちあがった瞬間、3人は激しい光に包まれてしまう。目を覚ますとそこは苅部の経営するバーだった。ただ店内は塵や埃でまみれていた。どれだけ時間が経ったのかわからないほどだ。外に出てみると、周囲は草木が生い茂り、まるで昔から人間など住んでいなかったと思わせるほど朽ち果てていた。


     3人にとっては嬉しい出来事だった。確かにこの世界はまともじゃない。ただこれはさっき彼らが願っていた知らない世界なのだ。「夢ではなく現実なら嬉しい」とはしゃぐ有栖と勢川だが、事件は夜に起こった。誰もいないはずの神社で祭囃子が聞こえるのだ。音に誘われ境内をくぐる3人。そこに現れたのは、紫吹小織という女性。彼女は彼らにこう告げる。「もう手遅れ、あなた達がもしこの世界をまだ夢か何かだと思っているのなら、そのままだと死ぬわよ」と。物語はここから急展開を迎える。


     自分たちの理想の国だと思っていたのも束の間、生死をかけた危機にさらされることになった3人。どうやらここでは「げぇむ」と呼ばれるものをクリアしないと生き残ることはできないらしい。また「げぇむ」をクリアするたびに滞在可能期間が記載された「びざ」が配られるのだが、「びざ」が切れると、その瞬間に空からレーザーが発射され「げぇむおおばぁ」になるという。こんな理不尽なことがあろうか。動揺する3人だが、生き残るには彼女のいう「げぇむ」に参加し続けるしかないようだ。誰がこの「げぇむ」の黒幕なのか、その目的は何か。どうやって有栖たち3人や紫吹を異世界に連れてきたのか。他にも「げぇむ」参加者はいるのか。どうなると「げぇむ」は終わるのか。1巻を読み進めていくと、どんどん謎が深まっていく。


     本作はすでにNetflixで配信されているが、どちらも見ている僕は原作から読み進めることをおすすめする。原作で描かれる3人の成長過程や「げぇむ」に関する細かい「るぅる」を知ってからドラマをみることで、より没入できるからだ。シーズン3配信開始までにマンガを読破しておこう!


    文=トヤカン

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