ダ・ヴィンチ - ワラウ

「仕事の武器」になる世界史の知識がコンパクトな文庫に! あなたの教養を仕事で活かすには?

2020年6月12日

  • 本日発売の「文庫本」の内容をいち早く紹介!
    サイズが小さいので移動などの持ち運びにも便利で、値段も手ごろに入手できるのが文庫本の魅力。読み逃していた“人気作品”を楽しむことができる、貴重なチャンスをお見逃しなく。

    《以下のレビューは単行本(2014年刊行)の紹介です》


    『仕事に効く教養としての「世界史」』(出口治明/祥伝社)

    泰平の眠りを覚ます上喜撰(じょうきせん) たつた四はいで夜も寝れず


     1853年、ペリーがはるばる日本に来たのは何のためだったのか? たった4隻の黒船(蒸気船)に江戸幕府が揺らいだ狂歌は知っていても、その理由や背景を、日本史の知識だけでは答えられない。  本書『仕事に効く教養としての「世界史」』(出口治明/祥伝社)から先にタネ明かしをしてしまうと、当時、新興国アメリカは中国との貿易を巡って大英帝国と深刻なライバル関係にあった。そのために、英国の影響を受けない太平洋側の航路を開拓する必要があった。日本はたまたまその重要な中継地点にあったのだという。したがって、本当の狙いは中国、覇権を争う相手は英国。アメリカ史の視点ではこのように見えてくるのだ。


     こんな風に日本史は世界史全体の中に位置付けてみないと、正しく理解することはできない。世界史から日本史だけを切り離すことなどできないということだ。  そのようにして日本を眺めると、改めてその小ささ、地理的な位置付け、そして文化が、相対化され新鮮な姿で立ち上がってくる。本書は世界史のさまざまな断面にスポットを当て、幅広い視点からそれらを描いてみせる。  例えば、「神は、なぜ生まれたのか」「中国を理解する4つの鍵とは」「ドイツ、フランス、イングランド――3国は一緒に考えるとよくわかる」などなど。



     中でも出色は第9章「アメリカとフランスの特異性――人工国家と保守と革新」と感じた。


     フランスもアメリカもそれまでの政治体制に疑問を感じ、大いなる理想を掲げた人々が打ち立てた国という共通点がある。先祖と歴史の重み、人間としての当たり前の心情をあえて断ち切った人工国家だと著者はいう。その2国の間でもより深い歴史を抱えるフランスは、行き過ぎた理想主義への反動もあって保守主義が台頭した。  一方、新大陸のアメリカは、フランス革命の影響も受けながらあくまでも理想主義を掲げた究極の人工国家。両国の間には、似ているけれども異なる立場から、近親憎悪のような感情がある――。著者はそう分析する。

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