ダ・ヴィンチ - ワラウ

5つの目でよく見える! セミの体には、不思議がいっぱい/ファーブル先生の昆虫教室⑦

2020年7月9日

  • 朝日小学生新聞の人気連載「ファーブル先生の昆虫教室」が、1冊の本になりました! たのしいイラストとやさしい文章で、ファーブル先生が昆虫たちのおもしろい生態を教えてくれます。昆虫たちの奥深い世界に、大人も好奇心をくすぐられる児童書です。


    『ファーブル先生の昆虫教室』(奥本大三郎:文、やましたこうへい:絵/ポプラ社)

     セミには目が五つもある、と言ったら、みんなびっくりするだろうね。


     では実際にセミをつかまえて調べてみよう。


     まず頭の両側に二つ、はなればなれに、わりあい大きな目があるね。これが「複眼」。一つの目に見えるけど、じつは小さな目がたくさん集まってできているんだ。


     その中間のところに、三つ、小さなつぶがあるだろう。アブラゼミだったら、宝石のルビーみたいな赤い色をしている。これを「単眼」というよ。


     この五つがセミの目だ。セミは昼間活動する昆虫だから、目がよく見えるんだ。木にとまって「ミーン、ミーン」と鳴いているところに、つかまえてやろうと、そうっと近づいても、あともう少し、というところでさっと逃げられてしまうね。こっちの姿がよく見えてるんだなあ。


     耳はどうなんだろう。セミの耳のはたらきについて、私は実験してみた。思いっきり大きな音をたててやったら、セミはどう反応するだろうか。


     それで村の役場から大砲を借りてきて、セミが鳴いている木のそばで空砲をうつことにしたんだ。


     空砲というのは、弾をつめないでうつこと。火薬を爆発させて、「ドン」と大きな音を鳴らすんだ。


     セミが鳴いているプラタナスの大木のそばで実際にうってみた。


     どうなったと思う? セミは平気だ。知らん顔をして「ジージー」鳴きつづけていたよ。だから私は、セミは耳が聞こえないんだと考えた。


     でも、それはまちがっていたみたいだ。


     生き物によって聞きとれる音の範囲はちがっていたんだね。大砲の音は、セミの聞きとれる範囲にはふくまれていないんだ。だからセミは大砲の音を感じなかったわけ。

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