ダ・ヴィンチ - ワラウ

ド田舎から上京してきた野良猫少女を拾ったのは、遊び人の狼だった……『なまいきざかり。』を上回るエロピュア!

2020年7月23日

  • 野良猫と狼
    『野良猫と狼』(ミユキ蜜蜂/白泉社)

     エロピュア……っ! と悶絶すること必至のマンガ『野良猫と狼』(ミユキ蜜蜂/白泉社)。高校のバスケ部を舞台に、度を越して真面目な女子マネージャーとモテる年下男子の恋を描いた『なまいきざかり。』も、2人の関係が加速するにしたがって、年下男子のフェロモンが大爆発&照れる女子がかわいすぎてときめきがとまらないという、エロとピュアが見事に融合した作品だったが、本作は女子高生×遊び人のバンドマンという設定ゆえか、1巻からなかなかに飛ばしている。


     主人公の環は、超純朴な田舎少女。電車と新幹線とロープウエイを乗り継いで4時間半かかる村から上京してきた高校生だ。5歳のとき父が亡くなりひきとられた祖母の住む村は、子どもが環一人しかいないようなさびれた山奥で、「母親が誰かもわからない」環はほとんど村八分扱い。困っていても助けてくれない、どころか、常日頃から目も合わせない、言葉ひとつかわしてくれないような環境で生きてきた環。勉強して、えらくなって、自分の力で生きていく。そう決めて一人暮らしを始めたものの、安アパートのさだめか、取り壊しにより立ち退きをよぎなくされ、熱中症で倒れていたところを助けてくれたのが金髪のバンドマン・狼(ろう)だった。


     助けてくれた、というよりは拾ってくれた狼だけど、部屋で目を覚ました環をクローゼットにおしこめ、連れ込んだ女性とおっぱじめようとする程度には鬼畜(親切にしてくれるこの女性がキレて事なきを得るが)。けれど、どこにも行くあてのない環を、迷惑そうにしながらも部屋に置き、口は悪いが不器用ながらも面倒を見てくれる。


    お前がのたれ死んだら後味わりーし 人がいなくなった話聞きゃ気分下がるし しんどい顔観りゃしんどくなるって そんだけのことだろ。


     これまで誰にも優しくされたことのない環は、そのシンプルな言葉に胸を打たれる。過剰に優しくも、冷たくもない。シンプルに、ただ、人としてあたたかい。警戒心まるだしの野良猫だった環は、そのぬくもりに少しずつ慣れるうち、狼に惹かれていく。さらにライブハウスで狼が楽しげに歌う姿に、本能的に“落ちて”しまうのだ。

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