ダ・ヴィンチ - ワラウ

自殺の名所なのに、自殺者がいない……? よ~く考えて、“意味がわかる”と怖い4コマ

2020年8月1日

  • 意味がわかると怖い4コマ
    『意味がわかると怖い4コマ』(湖西晶/双葉社)

     ネット上には数え切れないくらいの「怖い話」が溢れている。得体の知れない怪異、人間が持つ根源的な悪意、都市伝説……。この時期になると、怖いもの好きとしては一通りそれらを読み耽ってしまう。時間が経つのも忘れ、気がつけば朝になっていることもしばしば。窓の外が白みはじめるのを見て、安心して眠りに就く自分もいる。読んだら後悔するとわかっていても、やっぱり怖い話はやめられないのだ。


     なかでもちょっと頭を使う怖い話がある。それが「意味がわかると怖い話」。検索するといろいろ出てくるのだが、これはよくよく読み込んでみると、実は深い意味が隠されているというもの。そして、その真実に気づいたとき、さらなる恐怖が訪れるのだ。


     そんな怖い話を集めたマンガが『意味がわかると怖い4コマ』(湖西晶/双葉社)である。本作は日常生活で起こるあらゆるエピソードを4コマ形式で描いている作品。一つひとつはそこまで怖くはない。というか、さらっと読むと、「いったいなにが怖いの?」と疑問符がつくだろう。けれど、そこで終わらせてはいけない。たった4つのコマにちりばめられている情報の断片を集め、組み合わせていくと恐ろしい真実が浮かび上がってくるのだ。



     たとえば「もったいない」と題されたこちらのエピソード。パッと見、自殺しようとしている女性と、それを止めようとしている善意ある男性のやりとりだ。しかし、最後のコマの男性のセリフをよく読むと、違和感に気づく。自殺の名所にもかかわらず、自殺した人はひとりもいない。つまり、「自殺」ではなく、すべてが「他殺」ということ……? そう捉えると、この男性の笑顔が途端に不気味なものとして映るから不思議だ。



     こちらは「ショウカキ」という一編。どうやら街で連続殺人が起きているらしい。しかも、被害者の腹部からは胃や腸が持ち去られているという猟奇的な事件だ。するとそこに、ひとりの訪問者が。「ショウカキ イリマセンカ?」との問いかけに、女性は「いりません」と断言する。……ちょっと待って。この女性は「ショウカキ」を「消火器」と変換しているが、もしかしたら「消化器」の間違いかも。だとするならば、扉の向こうにいるのは……。

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